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日本学術協力財団は、「科学と社会」について考え、分野を超えた学術全体の発展を目指す公益財団法人です。

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出版事業―学術会議叢書10

学術会議叢書10
『学術会議叢書』は、今日的なテーマについて、日本学術会議および委員会主催の公開シンポジウムや講演会などの記録をもとに、関連資料・解説を加え、分かりやすく編集しました。(A5判)


学術会議叢書10
今、なぜ、若者の理科離れか−科学者と社会との対話に向けて−
2005年9月発行,A5,275頁, \1,800+消費税
   


心の動きやアイデンティティを表現する身体・表現・舞踊文化を多角的に捉えた画期的な学術研究書 。

目次
発刊にあたって (p.2-3) 黒川 清
はしがき (p.6-8)) 北原和夫
日本学術会議主催公開講演会載録
第1部 若者の科学力を増進するために
  
学者の社会責任:子どもを育てる、みんなで育てる (p.11-22)
・日本の課題、世界の課題
・科学者と社会
・子どもの理科離れ
・日本学術会議と社会へのかかわり
・政策構築のプロセス
黒川 清
これからの人材育成について (p.23-30)
・科学技術基本計画と総合科学技術会議の科学技術関係人材専門調査会
・人材の育成についての私見
阿部博之
社会と理科離れ (p.31-38)
・現役を離れた視点から
・社会人の科学的センスを育み、若者の「理科離れ」に歯止めを
・理科好きの若者を育成するカナダの取り組み
・科学技術の両面性、文系学者との連携が必要なことも
・科学者や技術者は社会に向かって発言することが必要
白川英樹
子どもたちの科学技術に対する関心をいかに高めるか (p.39-48)
・理科教育の事例
  (1)「環境わごん」
  (2)子どもアイディアコンテスト
  (3)ASIMO体験プログラム
  (4)ツインリンクもてぎの発見・体験型学習
  (5)ロボコン
・科学技術に対する関心を高める鍵と課題
  (1)国としての支援の拡充
  (2)学校と産業界のギャップ
  (3)受験を含めた学校制度改革
吉野浩行
科学者へ望むこと (p.49-60)
・社会から隔絶していた科学
・戦争が変えた
・世界科学会議
・科学ジャーナリスト世界会議
・科学者の社会的責任
高橋真理子
科学技術・理数教育の新たな展開 (p.61-68)
・第一次理科教育ブーム
・理数をめぐる現在の児童生徒の学力・意識
・理数教育の再活性化に向けての試み
・教育現場での取り組みが示唆するもの
・科学技術・理数教育の新展開のために
倉持隆雄
パネルディスカッション
第2部 科学への理解と共感を探るために
(p.69-120)
・生活と最先端の技術をどうつないでいけばいいのか
・科学への理解、キーワードは「多様性の尊重」
・科学に心から感動しているインタープリターを
・サイエンティストのコミュニティーが動きはじめた
・開かれた学校を目指して教員も努力
・形より内容が大切、面白くなければ駄目
・小学校の教育環境を変えた大学院生によるリレー授業
・企業の社会貢献として先生応援キャンペーンを実施
・言葉の規則性を意識させることが科学的素養を育てる
・国の資金利用で橋渡し役の組織を多様に
・日本学術会議は科学コミュニケーションの研究を
・科学に携わる人自身の意識改革が重要
[パネリスト](50音順)
文部科学省科学技術・学術政策局長
 有本建男
日本学術会議会員
 井上和子
大阪大学産業科学研究所教授
 川合知二
科学技術振興機構理事
 北澤宏一
文部科学省科学技術・学術政策局基盤整備課長
 倉持隆雄
総合科学技術会議議員、
東京大学大学院総合文化研究所教授
 黒田玲子
お茶の水女子大学附属中学校副校長
 佐々木和枝
花王株式会社広報部門社会・文化グループ部長
 嶋田実名子
日本科学技術ジャーナリスト会議副会長、
朝日新聞論説委員
  高橋真理子
東京大学大学院医学系研究科助手
  本間典子

[司会]
日本学術会議第4部幹事
 室伏きみ子
『学術の動向』特集載録
第3部 科学への夢を育み、科学する心を育てる
理科教育から見えてくる日本の初等・中等教育の問題点 (p.123-136)
・初等・中等教育における理科教育は、危機に瀕している
・理科教育の重要性への認識を深めよう
・真のエリートを育てるための理科教育
・教員のための環境整備
  −理系の学生が教員になりやすい環境を整えよう
室伏きみ子
「ポテンシャルを探る」こと (p.137-146)
・ポテンシャル
・Great!
・才能は誰のものか
・能力差
嶋津 格
若者の科学する心の喪失 (p.147-158)
・科学技術に対して若い大学生が何を思っているか
・科学者、科学技術に対する不信感
・科学技術に「適正レベル」はあるか
・科学への関心と現代社会
  −科学を必要とする社会とは
   −好奇心を持てる環境とは−
・21世紀の「科学する心」とは
清水 誠
国民一人一人に「科学する心」を育てることから全てが始まる
(p.159-170)
・科学技術創造立国の遠大な道程の途上で考える
・国民一人一人に「科学する心」を育てる
・教育法方に工夫を加えなければ何も前に進まない
・科学者を教育の現場に立たせよ
・良い科学ジャーナリストを育てる
本田孔士
情報の時代と科学教育 (p.171-183)
・情報科学教育の現状
・高校の情報教育と大学入試での扱い
・情報技術が若者へ与える影響
・インターネットの功罪
・取りあえずの処方
田中英彦
理系・文系科学の協力基盤 (p.185-194)
・自然科学と人文・社会科学の相克
・経営学の基盤となる科学論
・科学技術基本計画における文系の科学の位置づけ
・文系・理系の科学の協力基盤
奥林康司
高等学校・大学の化学実験の現状で科(化)学力は育つか (p.195-206)
・高等学校における化学実験の現状
・化学実験に関する世界の状況
・わが国の現状と課題
荻野 博
工学屋の見た“理科離れ” (p.207-217)
・理科を離れて何が悪いか
・製造業離れ
・ありがたみの認識
・ビジネスチャンスが広がる?
・日本は何で生きるのか
木村好次
若者の科学力−宮城県における小学校理科教育調査からみた課題−
(p.219-230)
・小学生の学力の現状
・小学校での理科指導の現状
・宮城県における理科研修
・子どもの科学力増進の一方法としての科学巡回訪問について
・科学巡回訪問に対する児童の感想文例
藤村重文
砂上に楼閣を築くのか (p.231-240)
・1950から60年代と同じような状況
・日本は近代化・工業化の成功例だった
・社会的・文化的な遺産の産物
・教育も右肩上がりの時代は終わった
・教育インフラの再構築・再創造を
天野郁夫
第4部 海外における理解増進と科学教育の展開
フランス、ベルギー、および英国との学術交流報告 (p.243-258)
・フランス
 ・国際科学会議(ICSU, Inter-national Council for Science)訪問
・ベルギー
 ・欧州連合訪問
・英国王立協会(The Royal Society)訪問
北原和夫
室伏きみ子
奥林康司
アジア諸国の初等・中等教育における理科・数学教育(p.259-268)
・会議のあらまし
 (Second International Conference on Primary and      
 Secondary Schools Science and Mathematics Education)
・マレーシアの教育政策
・FASAS総会
北原和夫
室伏きみ子
若者の科学力増進特別委員会の活動について(旧若者の科学力増進特別委員会) (p.269-274)
・委員会設立の経緯と目的
・審議経過
・今後の方向性
北原和夫

*演者・執筆者の所属等は原則として2005年6月現在のものです。
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